海と音楽が好き、車とバイクが好き、夜景と絵が好き、そして何よりも遊ぶことが大好き。でも家族(愛犬を含む)と部下を大切にし、仕事もしっかりやる、そんな男のホームページです。ご覧あれ!

HOME > Taste > Oosaka Confarance

大阪カンファレンス

  •  今、日本で高脂血症と脳卒中の関係を調べる大規模臨床試験が行われています。75歳以上の患者さんでLDL-Choが140mg/dl以上の人に対して、ある薬剤を服用させて5年間経過を追い、その薬剤の効果を判定しようとするもの。そしてその大規模臨床試験に当院も手を挙げて参加することになりました。しかしなかなか理由あって未だに患者さんの登録が出来ていない、そんな大規模臨床試験の中間報告と言うことで大阪で研究会が持たれました。何とその大阪での研究会に、製薬メーカーから交通費、宿泊費向こう持ちで参加するよう誘われました。たまには大阪に行きたい、そう、ここしばらく逢っていない大阪の友人に逢いに行きたい、そう思い立って参加することになりました。1泊の大阪行きです。

Oosaka Conf01.jpg

土曜日の午前中だけの診療が終わってから出掛けました。1泊分の荷物をバッグに詰め込んで、割と軽装で出掛けました。じゃぁ、行って来るね♪ 玄関を出ようとすると「おめぇ、一人だけで行くのかよ?」と言わんばかりに愛犬が玄関まで出て来ました。ゴメンな、お前は今回は留守番だ。ちゃんと母さんの言うことを聞くんだぞ。

Oosaka Conf02.jpg

東京駅まで出て来ました。新幹線のぞみに乗って大阪を目指します。大阪へ行ったのは、船舶免許を取る時に寄って行ったのが最後、もうあれから7年も経ちます。もちろん今回の目的は講演会参加ですが、懐かしい友人に逢いたい、そして大阪で美味しいものを食べたい、むしろこれらの方が大きな理由になっているかも.....。

Oosaka Conf03.jpg

まぁ医者と言うのはやはり恵まれているのか? 申し訳ないことに交通費、宿泊費全てメーカー持ちの接待です。ダメ元で尋ねてみました。新幹線はグリーン車? 担当者は申し訳なさそうに、すみません、指定席で勘弁してください、とのこと。まぁ出来ればゆったりと行きたいから、差額は自腹でグリーン車に換えてもらいました。

Oosaka Conf04.jpg

だけど駅員さん曰く、このチケットは現金で買われているので、グリーン社に変更は可能ですが、差額の支払いは現金に限ります、とのこと。クレジットは使えないの? その使えない理由が意味不明なんだけど。まぁ、しゃあない。差額4千円ほどをキャッシュで払いました。但しもうこれ以上の変更は出来ません、判ったよ! っせえなぁ!

Oosaka Conf05.jpg

列車での旅の楽しみの一つは駅弁。東京駅で牛めし弁当を買って来ました。温泉卵付き。未だ時刻は4時過ぎ、夕食には早いけれど、何となく空腹を感じて発車と同時に食べ始めました。旨い! かつて新幹線は大阪まで3時間10分、今は2時間半ちょっとに短縮されました。いずれリニアモーターカーが出来ると1時間なのだそうです。

Oosaka Conf06.jpg

ちょっと一眠りしたらあっという間に新大阪に着きました。そのまま直行で友人の店に行きました。実は彼は車仲間、大阪で車屋さんをやっています。僕が今日出向くことは話していません。「アベンタドールくださ~い!」って言いながら入って行くつもりでした。しかし出て来たのは若い店員さん、彼は電話中でした。

Oosaka Conf07.jpg

彼と会うのは7年ぶり、それもアポなしでいきなり現れたことに、ものすごく喜んでくれました。彼もいろいろあったみたい、7年間の空白の時間の話しが尽きません。8時に店を閉めて、一緒に食事をすることにしました。彼がいて良かった。もしかして店が休みだったら? などとも考えましたが、嬉しい再会でした。創作料理の店、旨い!

Oosaka Conf08.jpg

前の店は彼に奢ってもらいました。今度は僕の宿泊するホテルに来て、取りあえず僕はチェックイン、荷物は部屋に運んでもらうことにして、彼とスカイラウンジに行きました。あいにく彼は車、ノンアルコールドリンクでしたが、僕は申し訳ない、と言いながらもラフロイグのオンザロックをオーダー、またまた昔話しに花が咲きます。

Oosaka Conf09.jpg

さて翌朝、良く眠れました。朝も気分良くすっきり起床。朝風呂に入って朝食に出向きました。また朝食ビュッフェ、相変わらず卵は欠かせません。日本語で「目玉焼き二つお願いします。片面焼きで。」サラダはたっぷり、肉とチーズは少なめに。そして今日はカボチャのポタージュスープ。そして僕には珍しいトマトジュースで。

Oosaka Conf10.jpg

僕の部屋からの眺めです。ただ寝ただけ。それもツインベッド。どうせならクイーンサイズのダブルベッドにして欲しかった。自腹でツインに泊まると何かボったくられたような気がして気分が悪くなります。そして一人で宿泊なのに朝食券が2枚ついたりすると、2倍の料金を取られたような気になります。今日は奢りだから良いけれど.....。

Oosaka Conf25.jpg

さてホテルから歩いてすぐ、会場です。まずは大規模臨床試験の中間報告がありました。個人の診療所でものすごい数の登録をしているドクターがいます。ホント、患者さんが多いんだろうな? 羨望の眼差しです。何と登録数が全国トップレベルの先生にはiPadが景品として送られるのです。未だ購入に二の足を踏んでいるところ、しかし僕には無理だろうな?

Oosaka Conf11.jpg

と云うのも、こんな大規模臨床試験は大体多くが二重盲検法、目的となる薬を服薬する群と、プラセボ(偽薬)を飲ませる群にくじ引きで別れるのです。自分の患者さんがプラセボの群に廻されたら? 何か患者さんを裏切るようで、僕にはどうしても抵抗があります。そう、ボランティア精神の乏しい日本にはこのやり方は馴染まない!

Oosaka Conf12.jpg

実はずいぶん悩んでいるのです。かつて担当MRからその薬についてのデータを取って欲しいと云われたのですが、その時はすでに処方をしている患者さんの臨床データを集計すれば良いくらいに考えていたのです。協力医療機関として登録してからDouble blind(二重盲目試験)だと聞きました。思わず聞き返しましたが、自分の患者さんにプラセボを飲ませる可能性もあるわけです。

Oosaka Conf13.jpg

いわゆるコントロール群、本人にプラセボであることを告知するのかしないのかも知らないまま、結局時間が経過してしまいました。目標症例数が提示されていますが、未だほど遠いみたい。そう、日本ではこの手の試験は厳しいですよ。ましてや地域密着型の当院みたいな小さなクリニックで。プラセボを飲ませる患者さんに何と説明する?

Oosaka Conf14.jpg

今日の報告会では僕の高脂血症の患者さんの数を上回るような数の登録をしたドクターがいらっしゃいました。恐らくその半数は真薬を渡されない、結局治療を施さない患者さんになるのです。治療すれば脳卒中を起こさないで済む患者さんに薬を飲ませないで、もし脳卒中を起こすようなことがあれば、僕は恐らく罪の意識を持つのではないでしょうか? 僕の処をわざわざ選んで来てくれる患者さんに?

Oosaka Conf26.jpg

ある種の降圧剤と利尿剤を併用すると、脳卒中の患者さんが有意に減少すると云うエビデンス(つまり統計的に有意に減少すると云う医学的根拠)がイタリアで発表されました。イタリアは脳卒中の有病率では世界一の国なのです(ちなみに日本は第三位)。その中でプラセボを飲んで脳卒中を起こした人が明らかに多かったと云う結論が出て、その組み合わせの治療は良いと言う結論が出ました。

Oosaka Conf15.jpg

でもその陰に脳卒中を起こした人が多々いるのです。やっぱり僕には出来ない、そう思いながら会場を後にしました。登録数がもの凄く多いドクターを見ていながら、何か重い気持ちで出てきました。大阪で美味しいものでも食べて帰ろう、旨いものを食べて僕が脳卒中を起こすかも知れないな? そんなことを考えながら大阪の街をほっつき歩きました。

Oosaka Conf16.jpg

日本橋に来ました。東京で云えば秋葉原みたいな処、もちろん秋葉原の方が断然規模が大きいですが、最近あまりしていなかったパソコンショップ巡り、それから僕はあまり興味はないのですが、フィギュアの専門店がいくつかあり、ちょっと楽しめました。のめり込む人の気持ちがちょっと判ったよう。2時間ほど歩いて餌場を探しに行きました。何故か焼きそばが食べたくなりました。

Oosaka Conf17.jpg

この周辺は安くて美味しそうなお店が軒を連ねていました。一人でも入りやすそうな店が多い。そう、実はカンファレンスの後、ホテルで立食のビュッフェがあったのですが、何となく気が重くて食欲もなく、会場に入ることもしないでホテルを後にしました。さすがにそろそろお腹が空いてきました。何処に入ろうか迷うような感じ、すごく美味しそうな匂いに引かれて鉄板焼きの店に入りました。

Oosaka Conf18.jpg

豚肉入り焼きそば、せっかくのお休みなのにアルコールを飲む気にならず、焼きそばだけ食べました。ソーズ味、ぼてじゅうみたいな感じでした。未だ午後2時頃ですが人はそれほど多くはない、でもお店の人は威勢良く、店の中にいて気持ちの良い雰囲気でした。しかし僕にはちょっとボリューム不足、大盛りにすれば良かった? 少し歩いてまた何か食べようと思いました。せっかくの大阪なんだから。

Oosaka Conf19.jpg

また歩きました。確かここは来たことがある? 大阪へは4-5回来ているはずですが、やはりエネルギーを感じます。前回来たのは7年前、夕方について翌朝にはまた新幹線で西へ行くような旅でしたから、友達に連れられながらも大阪を堪能したわけではない、今回は昨夜と今は一人歩き、ここのところ東南アジアばかりでしたから、たまには国内を歩くのも楽しいです。大阪は日本語が通じます。

Oosaka Conf20.jpg

実は最近新宿に友人が串揚げの店を開き、たまに行っていました。どぶづけ? 二度づけ禁止の大阪風で、結構はまっていました。そんなことで本場の串揚げを食べてみたくなりました。この近辺にはそんな店が多い、客引きもたくさん、その中でちょっと大きそうな入りやすい店に吸い込まれるように入って行きました。いつもとちょっと違う雰囲気、セットで一人前をお願いしました。

Oosaka Conf21.jpg

そう、こんな感じ、またビールではなくお茶でいただきました。あまり脂っぽくなく、さらっと揚げてあるよう、友人の店はソースが縦長の缶に入っていましたが、ここはむしろ横長、串を斜めに入れてグルグル回します。やっぱ旨い! 実はあまり揚げ物は食べないようにしていたのですが、今日は旅先に付きOKとしました。未だ昼間なので割と空いていました。本場の味を堪能しました。

Oosaka Conf22.jpg

更に食べすぎかも知れませんが、この店のお薦め、肉巻きを。ご飯を撒いてあります。甘酸っぱいソースにつけて、如何にもカロリーが高そう、さすがに焼きそばを食べてからなので満腹になりました。お勘定も安い! これで満足して東京へ帰れます。串揚げの友人にも大阪に行ってきたことを報告することにします。ここからタクシーを拾って新大阪駅へ。タクシーも東京と料金システムが違います。

Oosaka Conf23.jpg

新幹線ののぞみに乗り、京都です。大阪からすぐ、まるで通勤圏のような時間です。京都にも大学の同級生がいます。国立病院で救急の頑張っているみたい、そう考えると僕は開業してのんびり幸せにやっている方なのかも知れません。でも京都の食事は僕にはあまり合いません。上品すぎて。あまり京都の奥深くを知りませんが、この年になってお寺巡りにも少し憧れます。しかし今日は素通りです。

Oosaka Conf24.jpg

名古屋に到着、駅の目の前のツインタワー、ここの最上階に泊まったことがあります。それも7年前、あの味噌煮込みうどんの味が忘れられません。このまま東京へ着いて、今回は真っ直ぐ家に帰りました。大阪、なかなか縁遠い街ではありますが、やはり行ってみれば楽しい処、今回は勉強で行きましたが、むしろ楽しい時間の方が多かった、久しぶりに昔の友達にも会えたし、たまには自腹で国内旅行も良いかも。