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日本の道路


 今、日本の高速道路の建設についてすったもんだしています。通行料金との採算を度外視してでも作らなければならない、まあ、首都圏に住み、整備された道路網に囲まれて生活する私には、確かに地方に行けばそんな収支を度外視をしてでも作らなければならない気持ちが分からないでもないのですが。それが出来るか出来ないかが当事者の死活問題に結びつく可能性も充分にあると思います。だからみんなその土地の有力者に陳情に上がる訳ですね。もちろん陳情を受ける側にとっては、そんなことを喜ぶ人からの清き1票のために、身を粉にしてまたお上に働きかける。正に悪循環です。当然陳情に上がるのは地元の工事の業者もいるでしょう。もちろんそのような当事者達にとって、国や地方自治体の負担なんてものは当然のことながら眼中にないはず。そして何処もが財政難に陥っていく訳ですね。
 時々私も話題に出していますが、私の好きなアクアライン、確かにあれば便利です。まだ数年前、私は夏によく房総の海に行くので、1年毎にまだ未完成のアクアラインの木更津側を見てきました。海にぽっかり浮かぶ橋桁、「エエッ? 本当にこんなところに道路が出来るの?」と云う目で見てきました。川崎と結ばれることも知らずに。こんな道路をどんな人が走るのだろうかと漠然と見ていた記憶があります。まさか、その数km先に海に浮かぶサービスエリアが出来、そしてそこを集合場所にして今私が乗っているような車で朝早くから自分がぶっ飛んでくる姿なんて想像もしていませんでした。ここは総工費12兆円、いったい計画が出来てから何年で完成に至ったのか知りませんが、このような採算を取れない道路が問題になる前に出来上がってしまったのは、やはり都心に近いと云うアドバンテージがあったからではないでしょうか? 誘致した土地の人達が、自分の街が繁栄することを願い、一生懸命やってきたのに、いざ高速道路が出来たら自分の土地の頭上を高速道路がノンストップで通るだけ、繁栄どころか、単に停まることの出来ない通過地点として、更に過疎化が進んでしまったなんて話を聞いています。ましてや飲食店やお土産の店など、そこを利用する客の増加を目論んでいた人達にとってはとどめを刺されるような状態、結局誰もが自分の土地にと考え、それがそれぞれの損得勘定の上に成り立ち、挙げ句その道路を使う側の利益になっていない、潤ったのは工事を引き受けた業者だけ、そしてその道路を維持するのにさえも財源に事欠くような事態になっている処がまだまだたくさんあると思います。
 ニュースステーションで久米さんが云っていました。「欲しいのは高速道路ではなくて、高速道路の工事だろう。」って。日本の高速道路は1km作るのに50億円かかるんだそうです。そんな高額な工事、それも公共と名をうって胡散臭い色を薄めてそこに群がってくる業者達、その持ちつ持たれつの関係で、結局馬鹿を見るのは納税者と云うことになります。私も結構税金を払っているんだから。
 かつて政界の大物(故人)の地元のド田舎に東京からリニアモーターカーを走らせると云う計画がありました(今でもその計画が継続しているのかどうかは分かりませんが)。時速500kmでぶっ飛んでいけば10数分? そんな試作車にも相当な税金がつぎ込まれたのでしょう。当然地元の人間はそんなものが来れば大喜びです。でも他の土地の人間は良い気分ではないでしょう。確かにより人口の多い土地だけを優先に工事をしていけば、それこそ一極集中になってしまい、これも困りものです。何を優先に考えるか? 個人個人の思惑が優先してしまうところに問題があると思います。だから人口と経済効果を積算するような指数を利益に関係のない第三者が打ち出せば良いはずなのですが、なかなかそうは行かないようです。当院のすぐ近くにそこそこ幅の広い幹線があります。実はそこの下を地下鉄が走るというまことしやかな噂があったのですが、もちろんそれが完成すれば当院の廻りも栄えるだろうと期待した一方、JR中央線と京王線の間を平行して走るような地下鉄を作ってどうするの? って疑問もありました。
 そして今度は第二東名、時速140kmまで制限速度を緩和(緩和と云っていいのか?)するため、より強固な構造で計画し、通常の高速道路よりも高い価格で出来上がるんだそうです。確かに、日曜日の夕方の東名高速上りは渋滞がひどく、日本の大動脈が2本になることによるメリットはあるのかも知れません。だけど今の国の状況でそんなもの作って大丈夫なの? と云うのが正直な気持ち、そして日本人が慣れていない緩和された制限速度で事故は起きないのだろうか? と今から心配しています。何せ渋滞で停まっているところに酒を飲みながら走ることを習慣としているトラックが突っ込んでくるわけですから。首都圏代表として私個人的には、第二東名より首都高速の三宅坂インターを何とかしてほしい気持ちの方が強いのですが。一日の利用車数を予測して計画を立てるのでしょうけれど、その予測がいい加減で、利用車がその予測より大幅に少なく赤字に転落する可能性があるのは、アクアラインを前例として容易に想像のつくところです(ところでETCの2割引きって話はどうなったんだよ?)。さてこれからの日本の道路ネットワーク、一体どうなることやら? 各地方の人々が我が地にとどんどん助長してアピールし、それを親方日の丸がどのように対処していくのか? じっくり高みの見物とさせていただきます。結局どうにでもなれってことか?