時間外診療とお気軽キャンセル
正直なところ最近ルーズな患者さんに振り回され、精神的に参っています。私なりに地域社会に少しでも役に立つべく頑張ってきたつもりですが、最近は”ドクハラ”なる言葉が流行り始め、まるで全ての医師が患者を人間扱いしていないような流布がまかり通っています。医師がそんなことはないと反撃する場もありません。と云うことで私のホームページので僅かながらの反論、反撃.........。
開業医である私が看板に出している診療時間は平日は午前9時から午後12時半と午後3時半から午後6時半まで、実際には診療時間は合計6時間半ですが、それ以外は遊んでいると勝手に皆さん考えているようです。昼間には往診あり、委員会あり、予防注射あり、看護学校の講義もあります。へばって昼寝することもないわけではありませんが、それは時間のある時だけです。ホントに冗談じゃありませんよ。正直なところ、開業したてのころはどんな時間外でも深夜でも、自分のところに来る患者さんは必ず診ると云う方針でやっていました。しかしそれで挙げ句の果て肺炎で1週間の入院です。最近はやはり身体の無理が利かなくなってきました。
私は自分がずっと診ている患者さんが急変したときには、自分が対処するべきだと考えています。緊急には出来るだけ対応しているようにしています。たった今包丁で指を切ってしまった、そんな連絡をしてきた患者さんには早くこちらへいらっしゃいと云っています。しかし、患者の都合で時間外に仕事をするつもりはありません。3日前から発熱している患者を何故夜中に診なければならないのか、理解に苦しみます。仕事で来られない? だったら仕事場から行ける診療所に行きなさいよ! 私だけがあなたの病気を治せるわけではないでしょう?
最近あと10分で着きますから待っていてください、今○○駅にいてタクシーで行きますから待っていてください、の電話が6時半過ぎにかかってくることがあまりにも多すぎます。スタッフ達はイヤな顔ひとつせずに待ってくれますが、こんなことが続けば突然辞めますなんて云われかねないと一抹の不安もあります。
私自身が親しい先生に自分が診てもらうときに”時間外で”と云ったことはありません。大学病院でどうしても診てもらわなければならないときにはやむなく臨時休診にして出向きました。大学の先生からは”時間外でも良いから”と云っていただきましたが、私は自分自身がそんなことでイヤな想いをしているのでご好意には甘えませんでした。あまりにも自分中心の人間が多すぎます。
当院では胃の内視鏡を出来るのは1日2人が限度です。無理して3人やったことも、どうしても予約をこなせず私がOffの木曜日にやったことがあります。不思議なもので、そんな予約は集中するときは集中してしまいます。後から予約する患者さんには”申し訳有りません、この日はちょっと検査が詰まっていて無理なので、他に都合の良い日がありませんか?”とお尋ねすることもあります。そんな時に当日”都合が悪くなったのでキャンセルして下さい”の電話が入るとホントに参ります。私に云わせれば人との約束をキャンセルするのに”都合が悪い”と云うのは理由になりません。相手を充分納得させるためにも具体的な理由を示すのが最低のマナーであると私は考えています。私も約束を反故にすることがないわけではありません。しかし、そんな時は申し訳ないと充分にお詫びするとともに、こんなのっぴきならない理由なのでご容赦下さいと誠心誠意言い訳します。そんな最低限のマナーをわきまえない人間がかなりいます。私の友人で結婚式の4日前に結婚そのものが破談になり、結婚式は中止と云う電話がかかってきたことがありました。恐らく彼の家は結婚式のための代金全てを払っているのではないでしょうか? 検査を予約していたのを忘れていたなんてのは論外ですが。
お互い良い医者であり、良い患者さんである間柄で良好な関係を保っていきたいと思います。良くない患者さんに私が良い医者であり続けることは正直なところなかなか困難です。ちょっと反感を買われるかも知れませんが、これが本音です。